質問

1 建設業許可について

1.1 許可を取得するまでには、どの程度の期間が必要か。

⇒許可官庁側の審査期間が都道府県知事許可で約1ヶ月必要ですので、申請準備から申請書提出まで2ヶ月程度掛かりますので、計3ヶ月は見込む必要があります。
 また、国土交通大臣許可では、審査期間が3ヶ月程度必要であり、申請準備から申請書提出まで3ヶ月、計6ヶ月程度必要となります。

1.2 発注規模が「元請工事1件あたりの下請け発注総額」とはどういう意味か。

⇒一般許可業者の元請業者が、発注者から仮に5,000万円の工事を受け、合計4,500万円未満の工事を2,3の業者に下請けに出しても、発注総額が制限内なので、特に問題はありません。
また、下請け業者が再下請けに出しても工事金額の制限は受けません。これはあくまで発注者と下請け業者の保護が目的で、元請業者が倒産すると、下請業者も連鎖倒産してしまうのを可能な限り防ぐためのものです。

1.3 経営業務の管理責任者になれる者がいない場合は許可を受けられないのか。

⇒経営業務の管理責任者(経管)になれる者がいない場合は、許可されませんが、例えば法人の場合であれば、建設業を営んでいた取締役経験者を自社の常勤役員等として迎え入れることに成功すれば可能となります。また個人であれば経管になれるものを従業員として雇い入れ、これを支配人として登記することにより、許可を受けることができます。
 ただし、これらを行うには、①申請者の取締役または支配人として登記すること。または、執行役員等としての要件が必要です。②申請者において常勤であること。③許可後も経管としての職務を継続できること(名義貸しは厳禁です。発覚すれば許可取消処分となりだけでなく、以後5年間建設業の営業ができなくなります。もちろん別法人で許可申請することもできません)。   

1.4 経営業務の管理責任者(経管)と専任技術者は兼任可能か。

⇒経管は、専任技術者を兼任できますが、同一の営業所(本社又は主たる営業所)でしか専任技術者との兼任はできません。

1.5 専任技術者と主任技術者・監理技術者は兼任可能か。

⇒専任技術者は、営業所ごとに専任でなければなりませんので、原則として現場の技術者である主任技術者や監理技術者を兼務することはできません。ただし、①該当する営業所において、請負契約が締結された工事であること。②工事現場は営業所に近接しており、常時連絡がとれる体制が整えられていること、③該当工事が「公共性のある施設若しくは工作物または多数の者が利用する施設もしくは、工作物に関する重要な建設工事で請負金額が4,000万円以上(建築一式工事の場合は8,000万円以上」ではないこと。
 以上の要件がそろえば、専任技術者の専任義務は緩和されます。

1.7 個人事業者は、法人化した方が良いのか。

⇒個人事業よりも法人の方がメリットが多くなります。例えば①個人では金銭的な信用度が低いため、規模の大きい建設業者からの発注を受けにくく、また金融機関からも有利な条件で融資を受けることができません。②個人であればその所得税は累進課税ですが、法人の場合は一定税率となります。③法人での事業開始後、2年間は消費税が課されません。
 ただし、現在の会社法では、資本金額1円でも設立可能ですが、許可要件の内、一般許可の場合、金銭的信用については、自己資本額が500万円以上となっていますので、注意が必要です。